小説『三日間の幸福』――命の価値と愛を描く切ない物語
「三日間の幸福」は、**三秋縋(みあきすがる)**による青春小説で、ネット発の作品が書籍化されたものです。作品を読んだのは学生時代ですが、今でも印象深く話の内容を覚えている作品の一つです。個人的には三秋先生作品の中では一番好きな作品になっています。
あらすじ
主人公・クスノキは自分の寿命を金に換金できる「寿命の査定」を受けます。
彼の寿命はわずか三万円の価値しかないと判断され、その中から30万円だけを得る代わりに、残りの人生を「三か月」と決めて生きることを選びます。
しかし、余命が少なくなる中で彼は監視役の女性・ミヤギと出会い、短い日々の中で初めて「誰かのために生きたい」という感情を抱きます。
やがて二人は惹かれ合い、寿命が残りわずか「三日間」となるとき、物語は最も切ないクライマックスを迎えます。
作品の魅力
- 寿命と幸福の価値を問う設定
「人間の命に値段がつけられる」という設定が非常にユニークで、自分自身の価値を考えさせられ、主人公も値段に対しての疑問・葛藤が人間味がよく出ている。 - 三秋先生の伝わりやすい書き方
読んでいる中でも、ここから!とクスノキが変わり始めるところ、作品の起承転結がわかりやすくなっています。 - 余韻の残るラスト
読み終えた後、しばらくは心が締め付けられるような余韻が続きます。「生きることの意味」を考えさせられる点が多く、その後を書かないからこそどうなったか、読者に問いかけられている感じがします。
漫画版もおすすめ
小説版に加え、**漫画版(寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。)**も発売されています。ビジュアルで表現されたクスノキとミヤギの心情は、さらに感情移入しやすく、SNSでも人気が高いです。
こんな人におすすめ
- 心を揺さぶられる切ない物語を読みたい方
- 「命の価値」や「人生の意味」を考えさせられる作品が好きな方
- 恋愛小説・漫画が好きな方
まとめ
『三日間の幸福』は、寿命とお金、幸福と愛テーマを描いた作品です。短い時間の中で生まれる感情の重さ、寿命がお金に変わるからこその命の計り方、価値観の表し方が印象的に残る作品になっています。
きっと読み終わった後に大切な人と過ごす大切な日々を描くでしょう。
それではまた次の記事でお会いしましょう!
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